風に吹かれて

早期退職後の自由でわくわくする暮らしを綴りたいと言いつつ、寂しくて貧乏な暮らしになるかもしれません

稲垣えみ子さんに共感し

50才のとき退職を真剣に考えていた時、新聞記事で稲垣えみ子さんの講演会があるという記事を読んた。この方は朝日新聞という大企業の会社員を50才で退社し、その経緯を書いた「魂の退社」という本が有名で、アフロヘアでテレビにも出ていて有名なかたであったが、私はそのとき初めて知った。早速「魂の退社」を買って読んだ。心がゆさぶられた。このかたの人となりと考え方にいたく共感した。

そして講演会も抽選で当たったので聞きに行った。本で読むより実際の話はもっとおもしろかった。そのときは当時発売されたばかりの本「人生はどこでもドア」を目の前でサインをしてくれて握手して買って帰った。(この本もとってもおもしろかった、その後彼女の本は全部買って読んだ)

いたく共感したので迷いが晴れ「よし、私も決めた!仕事辞める!!」

と決断したが、まあそれほどすんなりとことは運ばないのであった。

稲垣さんも書いていたが会社人生を「降りられない列車」と表現されていたが、私も同じように感じていた。しかもそのスピードは年々早くなるばかり。20年前は普通列車で景色を眺め、おしゃべりを楽しみ、停車しながらゆっくり走っていたのに、この頃は特急電車で「畑も飛ぶ飛ぶ家も飛ぶ」(※この歌は汽車汽車シュッポシュッポなのでもっと遅い)と感じており、特急から飛び降りるというとやはり思ったとおりみんなに引き留められたのです。それでも一人二人三人と順々に上司に説明していき納得してもらい、あと一歩というところまで行ったのだが、あと一歩及ばず。

当時疲れ果てていた私に、もう説得して回るというエネルギーはなかった。列車から飛び降りるのも大変。ものすごくエネルギーがいる。とりあえず乗り続けたがいつでもやめられるようにタイミングを見計らっていた。そして1年過ぎ2年過ぎ、ここまで来たならもう少しがんばって、私の職場は55才からが早期退職の対象となるので、55才の駅で停まるまで待つことにした。

早期退職ならみんな驚きはするが、少し早いというだけで立派な卒業なのだから、もう誰も引き留めなかった。何より私の気持ちが仕事をやり切って晴れ晴れとしていたからだと思う。50才の時点では疲れ果て、もう無理という感じが言わないけどにじみ出ていたからみんな引き留めてくれたのだと思う。

今にして思えばあのとき引き留めてもらってなんとか55才の駅まで乗ってきて、よかったと思う。堂々と卒業し、おめでとうとみんなに送り出してもらえたから。当時の上司たちに感謝。ありがとうございます。