風に吹かれて

早期退職後の自由でわくわくする暮らしを綴りたいと言いつつ、寂しくて貧乏な暮らしになるかもしれません

旧友に会う②

実家に帰ったついでに、旧友と呼べる同期二人と久しぶりに会った。

実家周りには旧友がたくさんいる。

 

私の退職を聞き驚いて、3月に連絡をくれていたが、4月以降落ち着いたら会おうとなっていた。

はるか33年前平成2年入省の同期は100人ほどいたが、うち女性は9人、一人は数年で辞めたので、8人が残っていた。

 

新規採用時は、泊まり込みの研修が10日間ほどあり、同期の女性たちとは寝食をともにしすっかりうちとけ仲良くなった。

配属先は九州各地に散らばったが、折に触れ同期会をしたり、その後も研修で会ったり、30代前半くらいまでは時々集まったものだ。

でも40代50代ともなるとみんな忙しいし、立場も変わって、話も合わなくなって疎遠になってくる。

 

この二人は出世して管理職だ。

一人は7,8年前に食事したきり、一人はここ数年で葬式会場で2回会ってるが食事するのは10年ぶりとか?

一人は独身。一人は職員同士で結婚して子供も二人、うちと同じような家族構成。

昇進には転勤が必須なので、独身でもあちこち転勤させられて大変、家族持ちも遠距離通勤が大変。

二人ともとってもいい人なのだけど、40代以降はなんとなく煙たく感じていた。

私も仕事がんばっているつもりだけど、この人たちはもっとがんばっているから。

もっともっと頑張らないといけない気がしてくるし、これくらいのことで愚痴なんか言ってごめんなさいって感じがしてくる。

向こうはもちろんそんなこと一言も言わないし思ってもいないし、こちらが勝手に圧を感じるだけなのだが。

 

家族持ちのほうは、彼女のお母さんが転勤について回っていた。

お父さんは早く亡くなり、持ち家もなかったのでそれが可能だった。

子供が小さいうちは家族で宿舎に引っ越したから、宿舎の近くにお母さんのアパートも借りて一緒に引っ越して、子供の面倒を見てもらっていた。

 

子供がある程度大きくなってからは、引っ越しはせず遠距離通勤をしていたが、ずっと今もお母さんが近くにいて、いまは逆にお母さんの面倒をみる側に回っているが、お母さんのためにもお母さんも一緒に住める家を建てるそうだ。

89才だそうだ。もっと早くにそうすればよかったのにと言ったら、忙しすぎてそこまでのエネルギーはなかったと言っていた。

 

お母さんが子育てを手伝ってくれるとはいえ、彼女は朝4時半に起きて、朝ごはん、晩ごはんの下ごしらえまでして、遠距離通勤して仕事して、帰りは遅くなるからお母さんに仕上げてもらって、子供たちに食べさせてもらうというのを前から聞いていた。

子供と一緒にいられない分、食事の準備だけは自分でちゃんとしたいとよく言っていた。

そういうのがですね、勝手にプレッシャーだったのです。

朝4時半起きと聞くと、朝5時半で愚痴なんか言ってられなくなる。だんなが何もしないとか、愚痴言ってられなくなる。

本人の努力により仕事も家庭も完璧で、まぶしすぎて正視できない。

 

職場も近くで家も近くの仲良しの同期とは、どこかでひずみが出るはず、そのうち子供がぐれるとか、だんなと不仲になるとか、きっとあるはずと言いながら、ここ20年くらいは遠巻きに見守ってきたが、その兆候もなく。

 

今回家族の様子を聞いてみると、なんと上の子供は両親と同じ職場に就職しており、下の大学生は野球を頑張っていて寮生活(プロをめざすレベルだと人から聞いた)だそうだ。

両親と同じ職場に就職なんて、私は子供に「おすすめしない」と言ったのに、子供も親のようになりたいと尊敬していることが分かる。

とうとうぐれなかった。

「いつかぐれると思ってたのよ」と言うと笑ってくれたが、「私は家ではぐうたらでダメダメだったから子供たちがしっかりしたのかな」なんて、謙遜もいいとこ。

そして、どちらかというと夫より妻の方が格上のこの夫婦、夫婦仲もどうなのかなと内心思っていたが、その心配も全くなかった。

 

完敗だ。

今もまぶしかったです。