以前から「丁寧な暮らし」という言葉に呪縛を感じておりました。
10年くらい前からおしゃれな雑誌にそういう言葉が出てきました。
私は栗原はるみさんのインスタを毎日拝見していますが、あのような暮らしに憧れていたのです。
インスタの内容は手作りのごはんとお庭やお花のこと。
いいなあ、すてきだなあ。
「丁寧な暮らし」の意味するところはひとそれぞれとらえ方が違うと思うけど、私はエコで省エネで自然素材で環境になるべく負荷をかけない暮らし、を心掛け自分でできる範囲でやりたいと思っています。
家を新築するときもそういう目線で建てたつもり。
我が家は県産杉材を使った木造住宅です。(近くの山の木で建てる家がコンセプト)
外断熱で2重ガラスが2枚も入って4枚のガラスが入っている省エネの家です。(雪も降らんのにやりすぎかも)
駐車場も砂利敷きです。なるべくコンクリートを張らず雨水をとおすためです。
土と樹木を多くして夏の暑さを緩和できるような庭を目指しました。
だがしかし、「丁寧な暮らし」は時間がかかるのです。
自分の思う「丁寧な暮らし」をちょっとかじってみてはできずに、とても中途半端なじぶんでした。
でも、仕事と子育てと家のこと全部を一人でやってたらとても丁寧になんてやってられません。
例えば、納豆パックは洗ってプラスチックごみに出したいけど、えーい燃えるゴミに出してしまえ、という感じです。
でもどこかで割り切らなければ、日々の暮らしは回りませんでした。
「丁寧な暮らし」は無理してやらなくてもいいと思います。
できるときにできることをやればいいのです。
それを後ろめたく思わなくていいし、あとで挽回したっていい。
で、無職になっていよいよその時が来た。
実はいろいろ持ってる「丁寧な暮らし」グッズ。
まずはこれ。長年の間コンロの下に葬り去られ、ほこりと油とゴミで汚かったのをごしごし洗いました。
やったーきれいになった!
南部鉄器の鉄びん。これでお湯を沸かして、本物の白湯を頂いております。
お湯の味はけっこう変わります。これがまろやかなのかどうか分からないが、鉄も染み出し、からだにいいことにはまちがいないでしょう。
お湯を注いだあとは、お湯を切りふたを開けておけば勝手にかわくので、さびるということもありません。
我が家はオール電化ですが、実は南部鉄器は底が平たくなってるものだとIHも可なのです。
フライパンは重すぎだけど、玉子焼き機は愛用していました。
そしてこれ。
白木屋伝兵衛商店というところの美しいほうきとちりとり。
このちりとりは紙製で、厚紙を張り合わせ柿渋を塗って張り合わせられたもので、とても軽い。
静電気がおきずに集めた髪の毛やほこりがくっつかずするすると落ちます。
「丁寧な暮らし」代表格の稲垣えみ子さんも「ほうきとちりとり」派ですが、彼女より先にずっと前からこれは持っていました。
多分雑誌か何かで見て、この美しいほうきにこころ奪われたのだったと思います。
ちょこちょこ掃除が気軽にできれば、そうじも大変ではないはず、と思って購入したと思うが、実際には場面に応じてダスキンモップと掃除機と、ルンバを愛用し文明と科学の力もフル活用しています。
あと、「窯で炊くおこげつきのごはん」に憧れて、土釜を買ってしばらく使用したのだけど、早々にお蔵入りしてどこかにあるはずなんだけど見つからない。
今こそ発掘せねば!
うちはIHだというのに、ばかみたいにわざわざお鍋用のガスコンロを出して、ごはんを炊くためだけに使用しました。
それはもちろんうまいごはんが炊けたのですが、当然ながら長続きしませんでした、ちゃんちゃん。
「丁寧な暮らし」の呪縛でした。