夫の宅飲み友達がいる。
20も年下だから友達というのもおこがましいが、ご近所さん、かな。
仕事で知り合った30代独身の市役所職員で、徒歩1分の同じ賃貸住宅に一人暮らしで住んでいる。
お互い酒好きで話が合うようだ。
彼のために私が九州で仕入れ、クール宅急便で送っておいた日本酒を持参した。
製造されるや否や完売してしまうやつ。
産土(うぶすな)という熊本は花の香酒造の日本酒。
彼は酒好きと聞いていたが、日本酒限定のコレクターだった。
私達夫婦が食材を持参し、最初こそビールを頂いたが、彼が次々とコレクションの中からおいしい日本酒を出してもてなしてくれる。
次はどれにしようかなーと冷蔵庫の前にしゃがんで、選んでくれる。そして「これはどこどこの〇〇酒造のお酒で、ああで、こうで・・・」とお酒ごとのうんちくを披露してくれて、博識でおもしろく聞いた。まるでソムリエみたい。
瓶の半分ほど飲んだところで、次のお酒を出してくれる。そんな次々もったいないと思うが、いろいろ一緒に飲んで感想を言い合いたいみたい。
私はお酒はあまり飲めない方だが、冷えた日本酒のうまいもの限定だったため、普段よりすいすい飲めちゃった。
コレクションは全部冷蔵庫から出てくる。
「常温のお酒はコレクションしないの?」
「常温は過熱して殺菌したものを薄めたものなんです。やっぱり生のお酒が好きなんですよ、おいしいんです。だから要冷蔵ばっかりなんです。」
「ストレート果汁ってことね。」
「うまいこと言いますね。そうそう。濃縮還元じゃないってことです。」
なるほどー、よく分かった。
ストレート果汁と濃縮還元のジュースの違いなら私でもよく分かる。
そりゃあストレートが段違いにうまいに決まっている。
お酒もうまいし、話もはずんで(まあ合わせてくれたんだろうけど)楽しいひとときでした。
酔っぱらっても帰りが徒歩1分っていいね。
いい子だから「結婚しないの?」って、おばちゃんはつい聞いてしまってごめんなさい。
「いいですよ、慣れてますから。相手がいませんので。」
「田舎の公務員なら、それだけでもてそうだけど。」
「田舎過ぎて若い女性がいないんですよ。」
そうなのね。確かに若い女性はみんな都会に行ってしまうよね。
仕事がないもんね。
札幌でも福岡でも、女性の独身率はかなり高いもんね。女性が独身でも暮らしやすいからね。
世話焼きおばちゃんはマッチングしたくなる・・・誰かいないかな。