「赤毛のアン」シリーズとか言いたいところだが、有名すぎるので、10年くらい前に私がとてもはまって夢中で読んだ本をご紹介。
「みおつくし料理帖」全10巻 髙田 郁
時代は江戸時代、料理人「澪(みお)」の成長物語であり、野江ちゃんとの友情物語でもある。
愛と恋もちゃんとある。
次々と事件が起こるが義理と人情で解決していくのが、膝を打ちたくなるほど実に「あっぱれ」。
江戸時代なので、人権などないので理不尽で悔しいことも多く、主人公におおいに感情移入し、泣いたり笑ったりする。
本当に号泣する。(涙ぼろぼろ間違いなし)
料理人としての成長も見どころで、「赤毛のアン」とも共通するが、まあおいしそうな料理の描写がそれはそれは見事で、なんとしても食べたくなる。
※巻末には作品中登場した簡単な料理レシピも載っている
そして、ラストがすごい。
澪ちゃんには絶対にやりとげたい無謀ともいえる目標があった。
そのためにずっと頑張ってきたのだ。
10巻で最終巻なのに、半分読んでも目標に達する気配はなく、さすがに無理か・・・とあきらめ始めたころ、なんとなんと、その手があったか!!とこれまでもさんざん膝を打ったが、膝を打つくらいじゃ物足りない、逆立ちしてでんぐり帰りして喜びたいくらいの、そんな手よく思いついたな作者!!でかした!!とうなりたくなるほどの急展開、見事に目標を果たし、めでたしめでたし大満足の読後感。
そして、物語が終わってしまった寂寥感。心にぽっかり穴。
ちなみに映画化もされたし、NHKでドラマ化もされています。
でも絶対本がおすすめ。
2時間なんかじゃ語れないから。
以下は私の周りでいかにみんなが夢中になったかの実話。
私は職場の若い子が昼休みに時間を惜しんで読んでいるのを見て、おもしろいですと教えてもらったところから始まった。
本屋で買って読み進めるうちすぐにとりこになった。
次が気になってしょうがない。
だから途中でやめるなんて絶対ない。
私が買った本でおもしろかったのはいつも友人A子ちゃんに回すので、この時もそうだったが、A子ちゃんからは催促してくるようになった。
次は?次は?
私が家にいなくても、自転車のかごにいれておき取りにくるようになった。
そのあと職場の同僚に貸した。
頼まれもしなかったけどおすすめだからと貸し付けた。
その子もはまり、職場の別の人におすすめだと貸したそうだ。
子供が3人いて子育てで忙しい彼女だが、やっぱりはまって止まらず「ママーいっつも本ばっかり読んでー」と子供からブーイングが来たという話だった。
私の当時お向かいに座っていた同僚は、なんと読んだことがあると言った。
おおいに盛り上がり、TVドラマ化されたキャスティングに「これは〇」「これは×」私ならだれをキャスティングするという話をお互いにぶつけあい議論しあい、おもしろかった。
ぜひ多くの人に読んでほしい。
10巻は長くて取りかかりづらいと思うかもしれないが、次が読みたくてやめられない止まらない、だと思う。