二女がこんなはがきが来たよと写真を送ってくれた。
家族でお世話になっていた歯科医院の閉院のお知らせだった。
閉院の理由に驚いた。
「病気のため院長が永眠いたしましたので・・・」
えええ???
院長って50前だったと思う。
そういえば、2、3年前に長期で院長不在の時期があったな。
入院治療中とか聞いたことがあったっけ。
この歯科医院は院長のお父様の代からあったもので、お父様と息子さんの二人体制でやってて、代替わりで引き継ぐ形で〇〇歯科から〇〇デンタルオフィスに名を変え、リフォームし、機器も最新のものに入れ替え、だから20年とは言わず営業していた。
私が近くに引っ越したのは長女がおなかにいるときだったから27年くらい前に、近所の人にどこかいい歯医者はないかと尋ねてここを紹介されたのだ。
子供たちも小さい頃からずっとお世話になってきた。
年に3回くらいの感じで歯のクリーニングに通っていた。
私と夫は元来歯が丈夫で、子供の頃は虫歯がなくて表彰なんかされていたタイプだったが、子供たちは歯の丈夫さは遺伝しなかったのか、食べ物が違うのか、私の歯磨きチェックが悪いのか、小さい頃から虫歯の治療をした。
私も大人になってからは虫歯で治療することが増えて、虫歯になるとほんとにお金かかるから(セラミックで10万円とか)、歯のクリーニングを定期的にちゃんとして予防に時間とお金をかけた方が、早期発見早期治療もできていいとの信念をもって、今でも私は通っている。
※大人になった子供たちはさぼりがち
※驚くことに夫は大人になってからも虫歯がない!!ので歯医者はほとんど行ったことがない(時々行った方がいいとももう言わなくなった・・・)
北海道に来る直前の6月にもクリーニングに行った。
帰ってきたらまた来ますなんて言って、行ってらっしゃーいなんて見送ってもらったのに、北海道から帰ったら病院がなくなっているかと思ったら、あいさつだけでもしたいと思い、電話をかけた。
長年なじみの受付の事務の方と歯科衛生士さんとお話できたのでよかった。
ここはみなさん勤務が長いのです。いい職場だったのだろうと思う。
歯科衛生士さんは、40代だろうか、腕がいいし何よりなじみなのだ。
「びっくりしました。闘病されてたんですね。あとを継ぐ人いないんですか」
「いないんですよ。閉院しかなくて。4年半くらい闘病されてて、しばらくはよかったんですけどね」
「ずーっとお世話になって・・・子供たちも。これまでありがとうございました」
「ほんとに、ね、かわいこちゃんたち(娘たちのこと)もすっかり大人になって」
「次どうするんですか?」
「まだ分からないんです。何も決まってないし、本当にハローワークで一から探すことになります」
「人手不足だろうしどこにでも引く手あまたじゃないの」
「そうなのかな、私ここしか知らないんですよ」
「え?新卒からずっとそこ?」
「そうなんです。ここでぬるーくやってきたので。だから次が不安ですよ」
「そっか。次の勤務先が分かったらおしえてほしいな。」
「そういうお客さんが何人かいらっしゃいます。でも失業手当がもらえる間はしばらくゆっくりしようと思ってるので、いつになるか分かりませんよ」
「せっかくの機会だからゆっくりしたがいいよ。その連絡リストにぜひ、私もまぜてください。いつでもいいから連絡待ってます」
と携帯電話番号を強引に伝えた。
歯のクリーニングならこの人にお願いしたいと思ってしまう。
連絡くださいというお客さんがほかにもいるのだ。考えることは一緒だ。
美容師さんが独立するときにお客さんをごっそり連れて行くのに似てる。
だけどこういう結末を迎えるとは、数年前に改装リフォームしたときにはだれも考えもしなかっただろう。
院長の闘病は4年半とおっしゃった。
聞かないし言わないけど、ガンかな。
人生いつ何が起こるか分からないな、と思った出来事でした。
そして、そういう出来事とは、意外と身の回りにたくさんあるのでした。