富良野スキー場には、私は25年前に一度だけ来たことがあった。
夫と当時2才の長女と3人で。
当時の私は30才、夫は31才。
夫に「ここ長女が2才のとき来たね。あの時私、長女にいじわるだったんよねー。今思うと悪いことしたわー。」と打ち明けたら、
夫も「うん。お互いいらいらしてかわいそうなことしたね。」
と言うではないか。
「え?あんたもだった?」
「うん」
私がスキーを始めたのは、当時のスキーブームにのっかり、就職した22才のときからだ。
学生のときはみんなお金もなく、九州にいてスキーやってる学生など皆無だった。
社会人となって、先輩に連れて行ってもらったのが最初。
同期のみんなとも一緒に行ったり、猫も杓子もスキーに行った。
原田知世主演の「私をスキーに連れてって」や、ユーミンの「サーフ&スノー」や「ブリザード」などがはやっていたころだ。
最初の数年はどんどん上達するから、おもしろくてたまらなかった。
当時youtubeなんかがあったなら、もっと上手になっただろうな。
週一で夜あってたNHKの「ベストスキー」という番組を一所懸命みたものだ。
私は就職して4年間は博多駅の近くに住んでいたので、広島県や島根県や鳥取県に行くことが多かった。九州内のスキー場より断然雪も多く広くて楽しい。
雪が降ったら同期の仲良しに電話して「週末行こか」「行こう」てな感じで、女二人でも夜博多駅を出発するバスツアーでフットワークも軽く通ったものだ。
楽しかったなー
26才で結婚し、結婚してからは夫や夫の友達なんかともよく行った。
ところが次の年は妊娠して行けず、その次の年も授乳中で行けず、だいたい普通の人はここでスキーを断念する人が多かった。
でも私はあきらめなかった。
2回の妊娠と2回の授乳期間(0才児)の合計4シーズンをのぞけばスキーに行かなかった年はない。
1才の子供は実家に預けて行ったけど、2才からは連れて行った。
※長女の1才は、私の実家に預けて、夫と私の弟とニセコに行った。
※二女の1才は、夫の実家に預けて、夫と5才の長女と私の同期の友達2人とルスツに行った。(二女は熱を出していたが、預かってくれた・・・ほんとに申し訳ない)
で、富良野に戻る。
初めての子連れスキー。
子連れスキーがどんなに大変か、私はまだ知らなかった。
私は2年のブランクのあとだけに、鼻息も荒く、すべりたくてたまらなかったのだ。
が、夫と交代で子どもをみなくてはいけない。
2才の子供というのは、スキーなんかまだできません。
長靴はいてそり遊びか、雪だるま作りがせいいっぱいだ。
新富良野プリンスに泊まったから、ホテルの前でちょこちょこ遊んでるだけだ。
目の前にはこんなにでっかいすばらしいスキー場があるというのに、行けないなんて。
夫と交代で2時間か3時間すべるのがいいとこ。
2才なんてまだ赤ちゃんみたいなものなのに、笑顔を向けられてもくそーって感じだし、泣いてもくそーっという感じだし、「この子のせいでやりたいことできない」といういらいらが顔にも態度にも出まくっていた。
母として人としてまだ若く未熟でした。
こんないじわるは私だけかと思ってたけど、やっぱり夫もいじわるしてたんだな。
私達、未熟でした。
という反省を込めて、わたくし、長女にラインしました。
富良野スキー場に来ています。覚えてないだろうけど実はこんなだったのよ、ごめんねと。
写真はある。2才のかわいい笑顔で雪だるま作ってる写真がたくさん。
その裏にはこんないじわるな母がおりましたとさ。