先日友人B子ちゃんを助手席に乗せ、車を運転していた。
B子ちゃんが言う。
「最近さ、歯医者の看板って、顔写真入りが多いよね」
確かに!!私もこの前見て「ふーん」と思ったのだった。
「そうだね。きれいな歯並びの歯をきらーんと見せたいからじゃ?」
B子「それが歯は見えてないのよ」
私「私が医師です。どうですイケメンでしょ、とPRしたいのかな」
B子「それがイケメンでもないのよ」
私「このまえ見てふーんと思った看板あったけど、イケメンではないけど、さらさら茶髪ヘアでイケイケな感じだったよ」
B子「あの顔写真を見て、この歯医者に行きたい、なんて誰か思うんかな」
私「確かに。思わんかった。むしろいやな感じ」
ああでもないこうでもないと、しばらく議論は続いたが結論は出なかった。
その後、車で運転中に歯医者の顔写真入り看板がやたら目につくようになった。
どれも不必要に大きく色も派手。
きらーんと歯が出ているのもあれば出ていないのも。
イケメンでもない。
今日も出かけた先でここにもあると発見し、ただのおじさんじゃん、と思ったので記事にしてみた。
ちょっと検索してみると、歯医者の顔写真入りデカデカ看板は数年前から話題で、とっくに有名な話だった。
B子ちゃんと一大発見をした気でいたのに。
看板効果でおおいにもうけている歯科があるのですね。
そのナゾについて、答えは「ザイアンス効果」によるものということだ。
ザイアンス効果とは
人は接触回数が増えると、その対象に好意的な評価や好みが高まる、という社会心理学的現象。
初めて接した時よりも、それなりに知っている場合により好意的な評価をする傾向があるため、看板などで何度も繰り返しその顔を見ていると、感情的な反応が肯定的になるという。
へーーーーなるほどね。
イケメンじゃなくてもこの顔を何度も見ていると、好意的に思えるようになるのか。
そう言われてわが人生を振り返ってみれば(話は突然大きくなる)、人生で一番高い買い物と言われる家の建築、そして二番目に高い買い物と言われる生命保険の契約。
どっちも足しげく通ってきた営業さんに根負けした気がしないでもない。
まあ、あなたから買おうかと、頼むよひとつ、と心を決めたのは、ザイアンス効果のなせる技だったのかも。