風に吹かれて

早期退職後の自由でわくわくする暮らしを綴りたいと言いつつ、寂しくて貧乏な暮らしになるかもしれません

7人目をご懐妊中の妊婦さんに出会った話

時々通う皮膚科はいつも混んでいる。その日も待ち時間が2時間以上あり、時間つぶしに近くの甘味処に行ってぜんざいを頼んだ。大きなテーブルの相席でアクリル板の向こうに30代とおぼしき女性がランチを食べていた。

 

その方は常連さんみたいでお店の人とおしゃべりしている。

「今日も皮膚科?」

「今日は違うんです。〇〇整体に来たんです。4人目のとき逆子を治してもらったから、今は逆子じゃないけど横向きになってるから治してもらおうと思って」

 

よく見ると妊婦さんだ。

なぬ?今、「4人目」と聞こえたような。では、そのおなかの子は5人目???

えーーーびっくり!!聞きたくてうずうず・・・

 

ちょっと遠慮がちに話しかけてみた。

「私も皮膚科に来て・・・時間つぶしなんです。いつも混んでますよね」

「私も皮膚科にくるときはいつもここで時間つぶしするんです。ここのランチがおいしくてどっちが目的か分からない(笑)」

 

お!お話してもよさそうなタイプ。おそるおそる・・・

「さっき4人目って言われましたか?そしたら今5人目ってことですか?」

「7人目です」

「ええええ~~~!!」(心底驚いた!!)「お若いのに7人目?すごいですねえ。」

 

もう、いろいろ聞きたくてうずうず・・・

でもこういう方はいろいろ言われること多くてうんざりかも。決して嫌な気持ちにならないような聞き方の工夫に注意!!と心して質問する。

 

「一番上のお子さんは何才ですか?」

「10才です。」 →(意外とピッチが早くて内心驚く)

「わあ、じゃあ年子もいますね、大変だー」

「ですね、年子もいます」

 

「男女の構成はどういう感じ?」

「女女女男男男です」 →(バランス取れてるような取れてないようなで驚く)

「そういう場合はきょうだいげんかとかってどんな感じになりますか」

「年の近いもの同志ですね、男女は関係なく。上と下ではけんかになりません」

 

「洗濯物の量とかすごいでしょうね」

「ドラム式の一番大きいやつで、12㎏なんですけど、だいたい1日に3回回します」

「わあ、すごい。雨の日とか大変ですよね」

「ほぼ1日中洗濯機が回ってる感じですね」

 

「食事の量もすごいだろうな。下の男の子たちが中高生になったら、すごい量になりそう」

「今でも、上の女の子たちもけっこう食べる方だからすごいですよ」

 

「私は子供は2人で、最大でも家族4人分の家事しかしなかったんだけど、それでも大変だと思ってたけど、一人減り二人減りして今はずいぶん楽になったんですよ」

「寂しくないですか?」→(全然。子供が家を出ていくたびに万歳したくらいなのに)

「そうですねえ」 →(決して否定しない)

「私は子供が出ていくなんて寂しくていやです。一人も出て行ってほしくない。子供たち全員かわいいばかりです」 →(驚愕!!)

 

本当に驚いた。

私はてっきり子供が多くて家事が大変できっとご苦労されてると思い込んで「大変ですね、がんばっていますね」モードで話を展開していたが、なんと、嬉々として子育てを楽しんでおられるのだ!!

 

いやー世の中にはこういう人もおられるのですね。

私は勝手に思い込みで、もちろん子供は好きなんだろうが、きっとカトリックなのかしらとか、そんな積極的に出産されてるとは思わなかった。

ごめんなさい、素晴らしいです。とても素敵です。

 

30代後半かな、髪も長くておしゃれも普通に言われなければ妊婦さんなんて気づかなかったし、おしゃべりの感じもよく素敵な方でした。

 

本当はもっと聞きたいことはやまほどあるのだけど、初対面でそんなに聞けない。

心の中で膨らむ質問はこんな感じ。

〇だんなさんは何のお仕事?相当収入があるのでしょうね。

〇だんなさんも子だくさんを望んでる?

〇実家が近くにあって、子育て手伝ってもらえる環境なのかしら。

〇その子たち全員大学までやる?やらない?どうやって仕分けする?

 

でももちろん、こんなことは聞かない。

最後に、きっとよく言われていやだろうなと思ったから、逆のことを言ってみた。

「何回目の出産でも怖いのは一緒ですよねー」

「そうなんですよっ!!みなさん何回も出産してれば簡単やろとか、早いやろとか、おっしゃいますけど、何回目でも怖いですよ。むしろ分かってるだけにもっと怖くなるんですよ。」 →(やっぱり。よかった正解)

「ほんとですよね。何回目でも怖いですよね。では、私はそろそろ時間なので。どうぞお大事に。」

 

この話、二人の娘にした。

会話の事実を伝え、そして、あんたたちこんなお母さんに育てられたせいで、考え方が偏ったかもしれない。

「女も自分で稼いで自立しないといけない」「じゃないと離婚したくてもできない」「自分の人生を自分で選べなくなる」という教育だったから。

でも世の中には、夫を信頼し子供が大好きで子育てこそ自分の天職と思っている女の人、こういう人も存在するのだ。もしかしたら自分でも知らないだけで、そっちのタイプかもしれないから、考え方は柔軟に。