義母の初七日が終わり、夫が北海道へ帰って行った。
夫の実家には、両親ご自慢の「槇(まき)の木」がある。
生前義母からも、家を建て替えたとき、まきの木を植え替えるのが大変だった、クレーン車で運び、植え替えだけで100万か200万か?かかったと聞いていた。
家の建て替えは夫が小6のときだったそうで、40年以上前のことである。
そんな話は聞いていたが、今回葬儀の際、思い出話をたくさんする中で改めてこのまきの木の話を聞いてびっくりした。
なんと200万で譲ってくれと言われたことがあるそうだ。
長男のお兄さんいわく「それも1回じゃないよ。5回くらい来たよ。」
5年くらい前に中国が景気良かった頃、中国ではまきの木人気で需要が高まり、輸出用にバイヤーが民家を回って買い付けていたのだそうだ。
お兄さんが庭で作業してると、道路から声をかけられたり、ピンポンと突然訪ねてきたり。
福岡の田主丸(たぬしまる)(※植木の町で有名)あたりの業者だったそうだ。
自慢の由来は、先代か先々代かが、肥後藩主細川家のお殿様から譲り受けたというもの。
なんでも地域で細川邸の植木手入れの手伝いに行ったときに、ご褒美に?譲り受けた由緒正しきまきの木なのだそうだ。
お兄さんが、家宝なのでこの木は譲れないけど、隣の大きい方なら売ってもいいと答えると、隣の木はいらない、欲しいのはこれ、バイヤーいわくその価値は、
1枝ぶりが美しい
2幹がねじれているのがいい
3葉っぱが小さく、密度が高いのがいい
のですって。
そう言われてよくよく見上げてみれば、なるほど確かに、隣の木とは樹形の美しさが違う、幹がねじれている!!葉っぱが細くてギュッと詰まっている!!と、娘たちと初めてしげしげと眺めたのであった。
「500万なら売るっていえばよかったですね」
とお兄さんに言うと「500万でも買ったと思うよ。でも売る気がないからね」ですって。恐るべし、まきの木。
庭木も相続税の計算にいれるのだろうか???