月末に北海道の夫が帰省するのに合わせて、長女の結婚話を進める予定で段取りしている。
滞在する4泊5日のあいだに、まずは彼氏クンが我が家に挨拶に来る、その翌日には両家顔合わせ(総勢9名で会食)を行う。
長女と彼氏クンは一緒に暮らし始めて1年以上が経過し、さすがにお互いこの相手以外の結婚を考えるというのはもうないでしょう、もう決めていいでしょ、決めなさいよという圧に押されての動きである。
※「傲慢と善良」を無理やり読ませたのもこのため
「結婚」にも積極的でない二人は「結婚式」にも積極的でない。
うちの長女は人前に出ることとか、みんなに注目されることが苦手で好きではないというのと、お金がない(彼氏に)、というのが主な理由で「結婚式はしなくてよい」という考え。
今どきは結婚式を挙げないカップルも多いと知っている。
前いた職場の若い子たちもそういう夫婦は多かった。意外と多かった。
まあ当時はコロナもあったからだけど。
「それもいいんじゃない」と最初は思っていた。
彼氏クンのおうちにご挨拶に行ったときもそういう風に話したらしい。
そしたら向こうのお母さんに「でも写真くらいは撮った方がいいよ。お金がないならそれくらい出してあげるから」と言われたらしい。(お金を出すのはお父さんでなくお母さんらしい)
うん、私もそう思う。
やっぱりきれいに着飾った人生でいちばん美しいであろう娘の晴れ姿は、母親としては是非とも見たい。
それからピアノの受付の人のお話、結婚式を挙げなかった息子夫婦だが、親せきづきあいの多い彼女のファミリーではその後が大変だったと聞いた。
いろんな親せきから紹介してよ、連れておいでと呼ばれ、その段取り、それぞれ異なるお祝い金に応じたお返し、全部親である彼女がやるはめになったと。
それで3,4回くらいそういうお呼ばれがあったのかな、しばらくとっても忙しそうだった。
「もうね、こんなことなら結婚式をやった方がよっぽど楽だよ。いっぺんで済むんだからね。親せきが多いなら結婚式やった方がいいよ」
そしてピアノの先生も「娘の結婚式はね(経験者)、すごーく感動したよ。この年になって感動することなんてもうあんまりないじゃない?でも感動するからね。結婚式はやったほうがいい」
先週ママ友とその娘sちゃん(長女の友達)宅へ遊びに行った日、長女の彼氏宅訪問のこととか聞かれたので、長女の結婚についてsちゃんと話していた。
私は長女と一緒に、2年前sちゃんの結婚式に参列したのだ。
もう親戚のおばさん以上である。
「私、結婚式やったらいいと思うようになったんだよね。長女はやりたくないと言ってるけどさ」
「やった方がいいですよ。お金の問題ならお祝い金でだいたい賄えるんだからなんとかなりますよ。私もやった方がいいと言ってこの前私のときの披露宴見積書を長女ちゃんに送りました」
「えっ、それ私にも見せてよ」
「ただ長女ちゃんは人前に出るのが好きじゃないからですね」
「そうなんよね」
「みんなに注目されるのがいやなんですよね」
「そうなんよね。仕事じゃモデルみたいなことやってるくせにね(アパレル関係)」
「それに長女ちゃんこれまで何度も結婚式出たじゃないですか。あれ回収した方がいいですよ」
「ほんとよ、10回以上は出てるよね。1回3万円で30万だからね。回収していいよね。それにやっぱりドレス姿見たかー」
「私も見たい」
「私も見たかー」(ママ友)
「今度両家の顔合わせのとき、結婚式しましょう、私見たいですって言ってみようかと思ってるんだけどどう思う」
「言っていいと思います。結婚式は親のためのものです。それもどっちかというと花嫁の親のためです。花嫁のお母さんには言う権利あります」
「そうよね。私には言う権利あるよね。口も出すけど金も出すしね」
「権利おおありです」(うんうんと横でママ友も激しく同意している)
夫は「本人たちを差し置いてその場で俺らが口出すのはどうかな」と言ったが、まずは子供らに私の母親としての希望を伝えてみよう。
その気になってもらって、それから向こうの家族にも言ってみよう。
最初は結婚式したくないなら、まあそれでもいいんじゃないと思っていた自分の気持ちが、だんだん「結婚式してほしい。人生一大のハレの日に美しい姿を是非見たい!」と変わったのにも驚いている。
ピアノの先生も受付の人もA子ちゃんもお義姉さんも、きのう会った高校時代の旧友も「結婚式したがいいよ。私も見たかー」とみんな言った。
ほらほらほら、親世代はみんな見たいのだ。
結婚式はどうも親のためのものらしい。